2008年9月12日金曜日

「表」と「裏」

以前佐野市にはあまり有名な観光地はない、というようなことを書いたが、近年の市町村合併により佐野市は「山間部」という観光ポテンシャルを持つことになったことを忘れてはならない。何人かの友人は「お前、今頃、気づくなんて遅いよ。」と「裏日光」という言葉を教えてくれた。佐野はリゾートと観光で世界遺産でもある日光の山々の反対側の面、つまり「裏」をもっているのだという。そこには秘境ともいえる手付かずの自然が残されているのだ。うだる真夏の暑さを逃れるため、裏日光に行くのは一部の佐野玄人の間では常識なのだそうである。街づくりを標榜している僕にとっても刺激的な話だ。

今年の夏も二度、「表」日光を訪ねた。よそから来た客人をもてなすには喜ばれる有名な観光地である。言い換えれば「安全」な観光地なのだ。けれども、それは取りも直さず商業化の波にさらされてしまったリゾート地なのだ。「表」日光はエアブラシで描かれた美しい絵を思い出す。が「裏」日光は筆の跡がハッキリと残る油絵のような印象だ。「裏」の単純な商業化には反対だが、佐野にある素晴らしい「油絵」を人の目から隠しておく手はない。

ここに知恵が必要だ。どのように人をその場所まで連れて行くかということだ。人を動かすためには道路をつなげることしかないのだろうか。けれども考えてみてほしい。結局のところ、「裏」との遭遇が起こればいいのだ。遭遇であればどんな形でもいいのである。僕は今、「人を動かす」のではなく「山を動かす」ことを考えている。

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